大判例

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東京高等裁判所 昭和35年(ネ)136号 判決

被控訴人は当審において原審被告韓国人居留民団の表示を、在日本大韓民国居留民団豊島板橋練馬連合支部と訂正したので、その訂正が許さるべきであるかどうかについて考える。

証拠によれば、被控訴人は当初本件建物の所有者、したがつて右建物およびその敷地の占有使用者も、登記薄上建物所有者と表示されている控訴人金載淑個人であると考え、昭和三三年一一月八日、後藤圀丸を代理人として、同控訴人を債務者とする仮処分の執行にのぞんだところ、現場に立ち会つた同控訴人は右土地建物は韓国人居留民団の占有にかゝるものであつて、自分は民団の団長であるに過ぎず、自分個人としての占有はない旨述べ、執行吏もその陳述を真実であると認めたので、同日の仮処分の執行は不能に帰したこと、そして、同月一二日にあらためて債務者を韓国人居留民団、右代表者団長金載淑として仮処分を執行したこと、そこでこれと同じ表示で本件訴訟を提起し、控訴人も亦その名で応訴して当審に及んだところ、前記の金載淑がいつた韓国人居留民団というのは通称であつて、在日本大韓民国居留民団豊島板橋練馬連合支部というのが同控訴人の正式の名称であることが判明したので、そのとおり当事者の表示を訂正したものである。

そして、本件土地建物を占有使用しているものが、控訴人在日本大韓民国居留民団豊島板橋練馬連合支部であることについては、当事者間に争がなく、原審以来韓国人居留民団の名で応訴しているのも、同控訴人にほかならないこと、弁論の全趣旨に徴して明らかである。

以上によれば、被控訴人は、要するに、本訴提起の当初から、本件土地建物を占有使用している控訴人在日本大韓民国居留民団豊島板橋練馬連合支部を相手とする意図で、たゞ前記のいきさつで通称である韓国人居留民団を表示したこと、そして、本訴において原審以来、右通称のもとに控訴人同支部が応訴しているものであることが明らかであるから、本件被告(控訴人)韓国人居留民団の表示は同控訴人の通称を表示したものであり、これを正式の名称に訂正することは、何ら当事者の異同に関係がないものというべく、右訂正はこれを許すべきものとするのが相当である。

(内田 千種 入山)

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